6月 9, 2026

オセアニアサッカー連盟(OFC)が太平洋地域初となるリモートVARを導入

LiveUのポータブル機材で6か国にまたがるリモートVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)環境を構築し、わずか一秒の低遅延運用を実現

ライブIP映像ソリューションのグローバルリーダーであるLiveUは、オセアニアサッカー連盟(OFC)との画期的な導入事例を発表しました。この取り組みにより、太平洋地域において初めてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)システムの運用が実現し、長年にわたりオセアニア地域が直面していたVAR導入の課題が解消されました。

長年、OFCはVARを導入していない唯一のFIFA加盟連盟でした。この課題はFIFAにも直接提起されていましたが、オセアニア地域の地理的条件やインフラ環境を考慮すると、従来型のVARをそのまま適用することは現実的ではありませんでした。地域全体に放送機材を輸送するのに多大なコストを要するだけではなく、諸島地域では通関手続きの遅延や機材破損のリスクといった課題がありました。また、フィジー、パプアニューギニア、ソロモン諸島、サモア、タヒチなどの島々では、高帯域な光ファイバー回線の利用が容易ではなく、固定回線インフラを前提としたVARの導入は困難でした。こうした状況の中、7か国8チームが参加する新設のOFCプロリーグでVAR導入が義務化されたことを受け、LiveUはオセアニア地域で初となるリモートVAR環境の構築に取り組みました。

オセアニアサッカー連盟(OFC) 審判部門責任者のケビン・ストルテンカンプ氏は次のように述べています。
「私たちは世界で唯一VARを導入していない連盟でした。従来のVARでは、この状況が変えることはできないと考えていました。しかし、実際に今回導入したVARシステムが稼働する様子を見たとき、これなら導入・運用可能だと確信しました。システム一式を航空機の手荷物として持ち運び、必要な場所へVAR環境を設置することができるようになっています。私たちにとって重要なのは、誰もが利用できる環境を構築することです。これは単なる技術導入ではなく、人々が協力して課題を解決していく取り組みなのです。」

LiveUはOFCの審判部門・技術チームと緊密に連携し、Hawk-Eye社のVARプラットフォームに対応したエンドツーエンドのリモートVARシステムを構築しました。このシステムは2台のポータブル伝送キットとオークランドの中央VARハブに設置された受信サーバーで構成されています。太平洋地域の各競技会場から最大12系統のカメラ映像を同時伝送するとともに、双方向の審判用通信を統合した4系統のリターン映像を競技会場に送り返します。競技会場とオークランドの中央VARハブ間における往復遅延は約1秒に抑えられており、FIFAが求めるプロフェッショナルレベルのVAR運用基準を満たしつつ、公衆インターネット回線を活用したリモート構成によって、固定回線インフラを個別に整備する場合と比較し、大幅にコストが削されています。

各LiveU伝送キットは、移動を前提として設計されたポータブルキットとなっています。機材は航空機の標準受託手荷物として輸送できるよう構成されており、各コンポーネントは航空会社の制限内のサイズ・重量に収められています。また、管理されたインターネット回線を利用することで、オペレーター1名でも設置、運用することが可能です。大型機器の輸送や常設インフラの整備、現地への専門エンジニアの配備を必要とせず、効率的な運用を実現しています。

OFC審判テクノロジー責任者のケルビン・ルイス氏は次のように述べています。
「私たちが求めていたのは、重量のある機材を輸送することなく、複数のカメラ映像と音声を確実に伝送できる、軽量でポータブルなシステムでした。導入後すぐに厳しいネットワーク環境下であっても放送品質の映像伝送が可能であることが確認できました。私たちが構築したのは、世界のサッカー界でも類を見ない、低コストかつ高品質なVARソリューションです。以前は丘の上で手作業により映像クリップを作成していましたが、現在はフル機能のVARを提供できるようになりました。非常に大きな変化でした。」

OFCが導入したリモートVARソリューションは太平洋諸島の現地技術者が自ら保有・運用できることを前提に設計されています。

OFC VARプロジェクトマネージャーのミハイ・ファビアン氏は次のように述べています。
「このシステムは非常にシンプルで、運用に専門知識を必要としません。LiveU製品はこのシステムを実現するための中核を担っており、LiveUはこの取り組みを実現する上で欠かせない存在でした。」

OFCはLiveUを選定するにあたり複数の技術サプライヤーを検討しましたが、最終的にはカスタム開発を必要とせず、LiveUの成熟した既存プラットフォームを活用できる点を評価し、LiveUソリューションの採用を決定しました。すべての実証実験(PoC)で、高い安定性が確認されました。万一、問題が発生してもオークランドの中央VARハブからリモートで診断・対応の実施が可能です。現地にエンジニアを派遣する必要はありません。

このソリューションはすでにOFCプロリーグでの運用にとどまらず、ニュージーランドサッカー協会のFIFAシリーズや、FIFA公認大会であるOFC女子ワールドカップ予選(ハミルトンでの準決勝、オークランドでの決勝)でも採用されています。次回の導入先はタヒチです。

LiveU Pacificでオセアニア地域のカントリー&セールスマネージャーを務めるクリス・ドレッジ氏は次のように述べています。
「OFCの今回の取り組みは、固定インフラ整備が難しい地域においてもVAR運用を可能にする、新たなモデルケースといえるものです。大型機材の輸送や固定インフラ、現地の専門エンジニアを必要とすることなく、どこでも放送品質のリモートVARを運用できることを実証しました。この取り組みは既にオセアニア地域以外のスポーツ団体からも注目を集めており、世界中の競技団体におけるVAR導入の新たな選択肢として、大きな可能性を持っていると考えています。」

動画クリップはこちら: https://youtu.be/snaQcnpUUME.